厚生委員会視察報告(2025年10月29日~31日)①
1日目 愛知県豊橋市「障がい者支援施策の取組について」
2024年9月、小平市で「チョコレートな人々」の上映会があり(柴尾ひろみHP/2024.9)、その舞台となった愛知県豊橋市への視察を提案したところ行政視察先の1つになりました。
基幹型の相談支援センター「ほっとぴあ」
ここでは、障がいを持っている方やそのご家族、事業所などからの相談支援のほか、虐待防止センターとして通報の受付や防止の啓発活動、地域住民等を対象とした啓発活動を行い、就労支援では、仕事探しの相談や事業者や会社からの相談も受けています。また、自立支援協議会事務局を担い、地域の関係機関との連携の強化や研修等の開催による人材育成を行っており、地域おける中核的な役割を担う機関として市の委託を受けて活動をしています。相談がある年齢は3歳から65歳までと幅広く、発達支援や介護保険制度以外の福祉サービスについての相談も入るそうです。

専門の職員を配置して市全体の相談支援のスキルアップへ
ほっとぴあの相談員は、相談支援従事者現任研修又は主任相談支援員研修を修了しており、社会福祉士、精神保健福祉士、臨床心理士又は保健師等、医療・福祉・保健・教育の何等かに関する資格を有し、福祉業務の実務経験10年以上の人を配置しています。市内には、相談支援事業を行う事業所は、31ヵ所ありますが、スキルの底上げのためにも、基幹センターとなるほっとぴあが研修を担っています。
自立支援協議会には、様々な検討部会があり課題を個別支援会議にあげて、目標を設けて解決につなげ、課題が形骸化しないよう常に新たな課題に取り組んでいます。ほっとぴあが毎月提出する実績報告書や自立支援協議会の各専門部会には市の職員も参加して活動の成果を把握。また市は、担当職員として社会福祉士や保健師の資格を持った人を採用しています。
独自の虐待防止マニュアル
市としての虐待防止の視点を盛り込み作成。虐待担当者は、常に携帯して対応時に確認し適切な対応を行うよう心掛け「障害者虐待防止訪問事業」では、市内すべての事業所を直接訪問(市職員とほっとぴあ職員2人1組)して虐待に係る相談と助言を行っています。
就労支援は当事者の困りごと解決、生活リズムを整えることから
2019年から2025年9月までに46人が一般就労につながり定着率は8割になっています。市独自のアセスメントシートを活用することで福祉サービスを使いながら一般就労につなげることができた例もあるそうです。まずは当事者の希望やどんな困りごとを抱えているかを聞き取りながら、必要な生活習慣を身に付けてもらうことなど丁寧に対応しています。また企業側からの相談も受け、配慮についての助言も行っています。市内には、A型就労支援事業所(雇用契約を結び賃金が支払われる)が15ヵ所あります。
発達が気になる子どもの家族への支援として
自立支援協議会におけるこども支援専門部会には、当事者家族も参加して生の声を吸い上げ、特別支援学校や市の関係課(保育課、教育課)も委員として現状把握や課題の共有、対策の検討をしています。また、学校教育課主催の特別支援連携協議会にも参加し、学校での支援体制の把握や小中学校と放課後デイサービスとの連携に関することなど教育と福祉の連携について意見交換を行っています。
インターネットで支援先が検索できる「ファミケア支援検索 豊橋市」で児童発達支援や放課後デイサービスの空き状況がわかります。

豊橋市の包括的な総合相談支援を参考に小平市でもできることがあると実感できる実のある視察となりました。視察終了後には、久遠チョコレートの店舗でチョコレートを購入させていただきました。
