難民について正しく知り、人権を守り命と健康を支える

講師の大澤優真氏
BOND-外国人労働者・難民と共に歩む会による企画「困窮者支援から見える日本の難民・仮放免者」の学習会に参加しました。
日本人と外国人の困窮支援をする一般社団法人つくろいファンドで活動する大澤優真氏のお話を聞きました。
世界中で難民は急増していて2024年12月末の数字は1億2320万人。日本の総人口とほぼ同じというだけでなく、その40%が18歳未満の子どもだということです。日本でも2年連続で1万人を超える難民申請者がいて、路上生活を強いられる人が増えています。その中には子どもや妊婦もいます。
小さな命を守るため
一例としてあげられたのは、コンゴ国内で虐殺が起きて家族も殺され避難して日本で路上生活していた妊娠中の女性への支援のことです。「日本に逃げてきたのは、最初にビザがもらえたのが日本だったから、母子を守るために日本に逃げるようにと言った夫はその後殺されてしまった」という。命からがら日本に来る難民は2024年に1万2000人いて、その中で難民に認定されたのはわずか190人です。
子どもの権利は
命の危険が侵されることなく生活ができるのなら、自分の国で生活したいに決まっています。それができないから、仮放免の状態でも日本にいるしかないのです。
また、自国に戻っても身寄りのない人や日本で生まれて育った子どもたちもたくさんいます。日本でしか生活をしたことのない子どもたちも同じ仮放免者として、高校に行ってもアルバイトをすることもできず、友だちに誘われても移動制限があり遊びに行くことができない、将来の夢も語ることができない閉塞感の中で暮らしています。子どもたちには、子どもの権利として、未来を描ける生活を保障していかなければなりません。
根拠を持った正しい理解を
外国人がいることで治安が悪くなる、賃金が上がらないなど根拠のない情報でモラルパニックが起きています。モラルパニックとは、特定のグループの人を「社会に脅威を与える存在」とみなして、激しい怒りや侮蔑などの負の感情をぶつける現象です。このような不安と憎悪に先導されないように根拠を持った理解を冷静にできるようにすることが必要です。曖昧さに流されないよう、国と国の狭間にいる人たちのことを正しく知って、命と健康、人権という軸を持つことが大切だという大澤氏の強い思いが胸に響きました。

講師の大澤氏と柴尾ひろみ(左)、竹井都議(右から2番目)水口市議(右)も参加されていました
