あきるの学園視察報告
特別支援学校のセンター的機能として
5月13日、東京・生活者ネットワークの岩永やす代都議会議員のコーディネートで近隣地域のネット議員とともに、特別支援学校の東京都立あきる野学園へ視察に行きました。校舎内は、木をふんだんに使った広々とした空間が広がっていました。
肢体不自由教育部門はA部門、知的障害教育部門はB部門に分かれ別の棟に教室が配置され、小・中・高等部の6部門303人の子どもたちが学んでいます。
はじめに学校の方針や取り組みについて聴きました。
あきる野学園は、特別支援学校のセンター的機能を有する中で外部からの相談を受ける他、地域の幼稚園や保育園、小中学校、高等学校の相談支援を行っています。またJA秋川や生活クラブ生協と農福連携をおこなったり、徒歩圏内の地域の学校との交流、あきる野市の音楽祭への参加をしています。居住地での復籍交流をしている生徒もいますが、これについては、良かったという保護者もいれば、その反対の保護者もいるとのことです。
あきる野学園の分かって楽しい4つの視点 PLANET
- 児童・生徒 豊かな学び「何を学んでいるかが分かって」楽しい…Learninng
- 保護者 パートナーシップ「先生の言ってることが分かって」楽しい…Partnership
- 地域 貢献共生社会「あきる野学園のことが分かって」楽しい…NETworkinng
- 教職員 いきいき働く「何の仕事をしているか分かって」楽しい…Active work
この視点は、特別支援学校だけでなく、学ぶ上で大切ですね。
一人ひとりに合わせた学び
お伺いした日は、あいにくの雨で、間近に控えたスポーツ祭の練習が外で出来ず、中学生は体育館で、小学生は、廊下で行っていました。廊下は、基本的に車いすが通るので物は置かず、通常の学校より幅を広くとっているので、学習活動にも使えています。
あきる野学園は、個別指導計画に沿って、各教室でその子どもに合わせた授業をおこなっています。A部門(肢体不自由)の中学生では、学年ではなく身体能力や習熟度によって教室を分けての授業も行っていて、医療的ケアの必要な子どもがいる教室には、看護師も配置されていました。必要な機能訓練を行っている様子も見学することができました。
B部門(知的障害)の高等部は、情報の授業を見学しました。就労等で必要なパソコンの使い方を学習していました。他にも清掃を学ぶための実習室など社会に出て働くための体験ができる様々な学習プログラムがありました。
栄養と発達
給食の試食では、初期・中期・後期・普通の4タイプの食べ比べをしました。初期は胃ろうにもできるペースト状で食べる時に母乳を飲むときのように前後の舌の動きを、中期は舌と上あごで食べ物をつぶす上下の動きを、後期は咀嚼しながら舌を左右に動かすなどその子の発達に合わせて提供しているとのことでした。食べるということは栄養を取るだけでなく脳の発達や舌が上手に使えることで発語をうながすことにもつながるとのことです。
調理も丁寧に行われていて、普通食を刻んだりつぶしたり、ミキサーにかけるのではなく、別々に調理しているそうです。素材の味がしっかりわかりとても美味しかったです。
今回の見学で学んだ、専門的な取り組みや支援を、地域の学校でどのように活かせるのか、しっかりと考えていきたいと思います。