多文化共生プランづくりについて―立川市の取り組みに学ぶ
小平市の外国人人口は26市で4番目に多く、今年の1月1日時点で5772人。法律が変わり、単身赴任だけでなく、配偶者や子どもと一緒に日本で生活ができるようになり、今後はさらに増えることが予想されます。
5月14日、先進的な取り組みを行っている立川市にお話を伺ってきました。
立川市は、地域の特性で古くから外国人が多く暮らしていたこともあり、国の方針が示される以前から、多文化共生の取組が行われていました。小平市でも2023年9月議会で請願が採択されたことで、多文化共生のプランづくりが始まろうとしています。
プラン作りのための市独自のアンケート調査
立川市は5年に1度、多文化共生推進プランを策定しており、2024年に第5次改定が行われます。計画策定のために2023年秋にアンケート調査を行いました。市内在住1000人に加え、外国語教室に通う30人には、面接での調査を行ったそうです。アンケートの作成から集計まで市の担当部局が行っているとのことでした。
外国人のための無料の日本語教室の開催、その他の事業
は、週3回、1回に15~16名、2つの教室を使いマンツーマンで指導しています。受講生とボランティアは、HP と市報を使い募集。春と秋にボランティアになってくれる人向けの研修を行っています。養成講座も年に4~5回開催。現在は、利用希望者が増えているものの指導してくれるボランティアが不足していて、希望があっても断っているそうです。小平市での市民が行っている日本語教室も人手不足とのことなので課題は同じです。事務費とボランティアに交通費程度の謝礼を払うための市の予算が組まれています
子ども日本語教室「つばさ」は、事業委託をして運営しています。定員は10名。週一回水曜日、午後3時から小学生、午後5時から中学生が利用しています。
通訳・翻訳ボランティアバンクがあり登録者数77名、18言語に対応。
通訳は学校や学童での面談や法律相談(ビザ・結婚・離婚・労働等)、消費者センターの相談などの同行の利用があります。
翻訳は、チラシやパンフレット、防災マップ等。2022年度の実績として、健康推進課が行う乳幼児健診、児童相談所、個人からの依頼が通訳は23件、翻訳が33件ありました。
行政情報翻訳業務は、各課からニーズを調査して多言語での翻訳を行っています。
2023年度は、ごみカレンダー、学童保育所入所申請、子ども家庭支援センターのパンフレット等を作成。
その他の事業
- 多文化情報提供事業…多言語で情報提供できる印刷物の作成・配布を年3回発行
- 国際意識啓発事業…異文化理解、国際化・多文化共生意識の醸成を図ることが目的。
- 多文化交流事業…外国人を講師として世界の料理教室を開催
- 防災関連事業…多言語による防災関連資料の作成・配布。通訳ボランティア等の防災訓練の参加、防災講座の開催等、防災に関する意識啓発。
- 世界ふれあい祭…立川楽市で外国人市民等と地域住民の交流
立川市多文化共生推進プランの作成
市が事務局となり学識経験者や活動団体の他、外国人当事者と市民からの公募で構成された策定委員会で行います。多文化共生推進委員会は、当事者と活動団体等5名で構成され、プランの実施状況のチェックを行い、新たなプランに向けて活かしています。
課題は…
・日本語教室のボランティア不足
・国や都からの通知を多文化共生の担当だけで行うのは難しいこと
・外国人が働く企業との防災に関する連携
・子どもの頃から外国人とふれあい、多文化共生の意識を醸成すること
・子育て世代の外国人との交流
市担当の説明の他にも、立川国際友好協会の方から立ち上げの時からの活動をはじめ課題等をお聴きしました。
学んだことを参考に、今後の小平市の多文化共生のための取組に活かせるよう提案していきたいと思います。