日本の入管問題を問う映画「イマジナリーライン」を観ました

7月28日小平市中央公民館で、東京芸術大学大学院生制作の映画「イマジナリーライン」の上映会がBOND(バンド:外国人労働者・難民と共に歩む会)主催で開催されました。
6月末に仮放免の子どもたちの絵画と作文展示があり、そこでこの企画を知りました。日本で生まれ育ったのにもかかわらず親に在留資格がないことを理由に子どもにも在留資格が認められず、日本で生きていくために最低限の権利すら認められていない子どもたちの存在を知り、私たちに何が求められているか、一緒に考える映画です。

 

私も外国ルーツの子どもに関しては無関係ではなく、私が生まれる前に我が家で引き取った戸籍のない女の子がいて、母が家庭裁判所に通って戸籍を作ったという経緯があり、その子(お姉ちゃん)とは、兄弟のように育ちました。まだ、規制が厳しくなかったことから日本の戸籍を取ることができました。また、帰国すると身に危険が及ぶことで自国から逃れて日本に難民としてやってきた人との出会いもありました。その後、2021年の名古屋入管に収容されていたスリランカ人の女性ウィシュマ・サンダマリさんが適切な医療を受けられずに死亡した事件では、難民問題の深刻な課題を改めて知ることになりました。仮放免の子どもたちの作文と絵画を見たこと、そして今回の映画を観たことで、現実に、理不尽で厳しい状況で生活している子どもたちがいることに対し、早急に解決しなくてはいけない問題であるということを感じました。

 

映画の中では、どのタイミングで急に収監されてしまうかもわからない恐怖を抱えて暮らしていること、住んでいる都道府県以外に移動する際も許可がないと移動できないなど厳しい決まりの中で暮らしていることがリアルに描かれていました。

上映後、制作者との対談がありました。これまでに入管施設で亡くなった人は約20人。実際に出演してくれた当事者の移動の手続きに多くの時間を費やしたそうです。牛久の入管管理センターで手続きに来ていた人が苛立ち大きな声を出している様子を聴いているだけでも、困難な生活をしている人がたくさんいることが想像できました。

 

仮放免の子どもたちには、親に在留資格がない場合、日本で生まれ育ったとしても在留資格が認められません。日本の学校に通い、日本語しか話せなくても就労や健康保険への加入が禁止され、大学の入学も拒まれるなど、多くの不利益が強いられています。

小平市には、現在5000人以上の外国人が暮らしています。仮放免の子どもたちはいないということですが、今後、就労のために家族を連れて来日する人が増えることが見込まれます。

ことばの問題や生活上の手続きなど、日本のルールや受けられる支援を知ってもらうことで日常生活や子どもの学習や進学などに困ることがないようにしていくこと、同じ社会を生きる私たちがこのような問題に対して声をあげていくことが重要です。

入管法の問題提起をおこなっていくためにも、もっとこの問題について深く知っていきたいと思います。そして多文化共生社会をすすめるために提案していきます。