「チョコレートな人々」の目指す世界
小平中央公民館で開催した、自主上映会「チョコレートな人々」を観てきました。
舞台は、愛知県豊橋市、障がい者がもらっている賃金が、あまりにも低いことに異を唱え、公正な賃金を払える職場をつくろうと、代表の夏目さんは、26歳の時に小さなパン屋さんを始め、19年の間にいくつもの事業を経て、現在、北は北海道、西は鹿児島まで52の拠点を持つ「久遠チョコレート」を展開しています。従業員は570人、その6割が、心や体に障がいがある人、シングルマザー、介護をしている人、不登校経験者、セクシャルマイノリティなど、多様な個性を持つ人たち。その人たちの働き方に合わせ、しっかりと稼ぐことができる職場です。
夏目さんは、誰でも必ず属性があって、男とか女、おとな、子ども、障がいや国籍など、その凸凹によって、生き方が狭まってしまうのはおかしい。できないのではなくて、どうやったらできるのかを常に考えています。効率ではなく、居心地がよく、一人ひとりが作業しやすい環境をつくり、道具まで発明しています。
障がいの特性で仕事が滞ってしまったり、問題が起きても、排除するのではなく、どうしたら解決できるのか、一人ひとりをしっかりと認めていて、評価をしている、本当のインクルーシブを実現している「久遠チョコレート」のような働き方と夏目さんの考えや行動が、特別なことではなくて、普通のことにいつかなるように、願っています。
失敗しても、温めれば、何度だってやり直せるチョコレートのような世界が広がりますように!
中央公民館の廊下には、カブトムシなどの夏の昆虫が展示されていて、スズムシのきれいな音色が響いていました。中庭を囲むガラスがお絵かきコーナーになっていて、映画と共に楽しめました。