視察報告② 姫路市 こどもの未来健康支援センター「みらいえ」
8月5日 視察2日目①
思春期から若者まで切れ目なく

生まれたよ!
わたしの名前はみらいちゃん
だっこしてみてね
姫路市の課題として、出生数の減少と思春期支援が重要との捉えがあり2021年~2022年に学識経験者をはじめ周産期病院関係者や保護者等との意見交換会が行われました。老朽化した保健所の改修も重なり、別々の場所で行われていた事業を包括的に行うことができる「みらいえ」の設置に至り2023年に運営がスタートしました。

抱っこしてみました
充実した職員体制で、包括的な支援につなぐ
職員体制は、保健師(4名)助産師(2名) 心理士(4名) 保育士(1名) 管理栄養士(1名) 精神保健福祉相談員(1名) 歯科衛生士(1名) 社会福祉士(1名) その他事務職 計18名のスタッフが働いており、保健師や心理士は、十分な相談支援につなぐため多く配置しています。
相談・交流・学びあいの3本を柱に

親子が自由に利用できるスペース
相談事業では、電話や面談、必要に応じオンラインを使うほか、匿名でも受け付けています。思春期相談では、第2次性徴をはじめ摂食障害やゲーム依存、不登校(発達障害・メンタル)、LGBTQなど、気軽に相談できるように小中学校で提供される個人学習用端末に相談につながるプラットフォームの設置を準備しています。妊娠出産相談では、不妊・不育症や出生前検査 思いがけない妊娠のほかに、流産・死産経験者へのグリーフケアのようにこれまでどこに相談すればいいかわからなかったことにも対応しています。授乳相談や養育支援、低所得妊婦受診料助成、特定妊婦の受診に同行支援も行っています。作業療法士 理学療法士 言語聴覚士等配置して「はぐくみ相談室」で発育・発達相談を行います。
交流事業では、多胎児の交流や疾患を持つ子どもの交流、保護者や子ども同士の自由な交流の場を設けています。

プレコンセプションケアの展示がある中高生が自習などができるスペース
学びあいでは、親と子の性教育講座や全ての中学校1年と3年生に向け専門家による出前授業。高校や大学、企業などすべての世代に向けて、自分のこころとからだの健康と将来のライフプランを考えるためのプレコンセプションケアを動画を使うなどして学ぶ機会を設けたり、支援者向け研修では、プレコンセプションケア研修や父親支援研修会、グリーフケア研修 思春期講演会(性被害・性暴力・LGBTQ)を開催しています。
運営時間は、中高生が学校帰りや仕事帰りに相談に来られるよう19時まで開館していて、専門職が不在の時も確実に連絡が取れるよな体制にしています。
一体化することで支援がスムーズに
一体的な相談支援を行う施設としての周知がすすんだことで、丁寧な対応ができるようになり相談につながりやすくなったとのこと。力を入れているプレコンセプションケアは、しっかりと自分のからだについて考えるきっかけとして重要な取組だと思います。思春期・周産期・子育て期とそれぞれが関係する職種と連携するための協議会や支援者支援のための多職種による専門チームを設置。保健センター、保育所、学校等との検討会も実施、女性支援をはじめ様々な支援につなぐNPOとの連携もしています。
関連事業を集約することで包括的でスムーズな支援につなぐことができると実感しました。今後、公共施設の複合化を進めるうえで提案していけたらと思いました。