視察報告③ 豊岡市第4次男女共同参画プラン ~ジェンダーギャップ解消戦略の取組について
8月5日 視察2日目②
女性に選ばれるまちにするには
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議会棟(昔の市役所)
2015年の国勢調査の結果から進学等で転出した若者の回復率は、男性52.2%、女性26.7%。若者に選ばれないだけでなく、とりわけ女性に選ばれていないのはなぜか、若者に向けてインタビューを行いました。経済的な魅力や文化的魅力が乏しい、女性からは、能力にふさわしい役割がない、実績につながらないなどの回答がありジェンダーギャップ解消が必要だという考えに至りました。
2018年より職場のジェンダーギャップ解消のため、市役所も一事業所として入り「豊岡市ワークイノベーション推進会議」を設立。事業所の経営陣が「現在の取組、課題、これから取り組みたいこと、会社のありたい姿」について見つめ直し、共有しました。
ワークイノベーション戦略の目指す姿とは

豊岡震災復興遺産の碑
豊岡市ワークイノベーション推進会議では、企業を評価・表彰する制度「豊岡市ワークイノベーション表彰制度(あんしんカンパニー2020~2024)」を創設。高評価を受けた事業所が「あんしんカンパニー」として表彰。企業は、表彰されたことで働く人からの評価が高いことが可視化され、働く場を選ぶ指標になっています。16の事業所でスタートした会議は、現在124まで増えています。
評価されるのは、管理職の意識改革の取組、男女とも介護や育児中でも働き続けることができること、そのための労働時間の見直しや働く場所にこだわらない働き方。また、休暇を取得しながら生産性高く働ける工夫、性別や属性に関わらず従業員がフェアに処遇されることなど男女ともに働きやすく、働きがいがある職場であるということです。そのために、事業者は職場の課題を把握するための意識調査を行っています。
豊岡市ジェンダーギャップ解消戦略
市民に向け、地区役員の議決権を持つ人の選出の際に一定程度女性が参画できる規約の改正や祭り等での性別役割の見直しなど、地域のコミュニティごとにジェンダーギャップ解消の必要性の啓発活動、専門講師による講演会、保育士・教職員向けの研修、地域で男女間のモヤモヤを話し合う場づくりなど、アンコンシャスバイアスへの気づきなどを周知して意識向上を目指しています。若者に向けたワークショップも行いジェンダーギャップだけでなく、そこでの意見を共有してジェネレーションギャップ解消にも努めています。
庁内では、キャリアサポートシートを活用して、短期目標や業績目標、休暇の取得について上司と共有(男性職員の育児休暇取得100%)、新規管理職をフォローするためのメンターの配置や管理職対象のジェンダーやアンコンシャスバイアスの認識やマネジメント力を磨く研修、成果を図るアンケートを年1回行っています。若手にむけたスキルアップ研修、気軽に相談できる外部相談窓口を設け、働きやすい環境を整えるために様々な取組がされています。
まち全体で取り組む働きやすい環境づくり

豊岡のシンボルコウノトリのオブジェ
駅前施設に「みらい応援Room」を設置。プチ勤務(少日数、短時間)相談会やハローワークと共催での相談会を開催して市内事業所とのマッチング。この他に子育てママパパの企業相談も月1回開催しています。
また、「豊岡みらいチャレンジ塾」で政治・経済・地域などで活躍する女性リーダーの育成を行い、2024年までに77人が受講。120年間以上男性議員のみだった議会に女性議員が誕生しました。
豊岡市のまち全体をあげてのすばらしい取組は、小平市でも参考になることがたくさんありました。今後の提案につなげていきたいと思います。