視察報告④ 東大阪市立障害児者支援センター「レピラ」

8月6日 視察3日目

発達障害支援センターPALの入り口

切れ目のない支援につなぐ基幹施設として

レピラは、東大阪市の基幹相談支援センタ―として2017年に開設し、総合的、専門的な相談支援(3障害対応)の実施を行っています。各専門職を配置して、地域の相談支援体制の強化として専門的指導や助言、人材育成、相談機関との連携の強化を行います。また、成年後見制度の利用や権利擁護・虐待防止に取り組むほか、障がい者の地域移行、定着をすすめるために、入所施設や精神科病院への働きかけ、地域の体制整備に係るコーディネートなどの役割を担っています。困難事例などの専門性の高いケース対応を行うため、多分野の関係機関と連携し相談支援をスムーズに進めるための調整役を担っています。また、障がい者虐待の啓発効果と障害者虐待防止センター機能を担い、周知が進んだことで通報件数が増加(24時間対応の受付窓口を設置)。地域で開催される様々な会議や連絡会、障害福祉以外の分野のネットワーク会議にも参加し関係づくりも積極的に行っています。

 

地域移行を目指して

広々としたスペースで子どもたちがのびのびと過ごしています

知的障害・肢体不自由・発達障害等子どものための親子通園療育を行う「はばたき園」では、地域の中での生活を重視し、保育園や幼稚園、学校への地域移行をめざして療育を行っています。室内は吹き抜けで、子どもたちがのびのびと過ごせるよう広々とした空間。様々なことに楽しく興味を持って取り組めるよう、片付け方も遊びを取り入れた仕掛けが施されています。給食室やプールもあり、いろいろなことが体験できるよう配慮されています。

片付けが楽しくなる仕掛けがいっぱい

充実した診療機能と地域交流の場

整形外科、児童精神科、精神科、障害児者歯科も配備する診療所を併設していることで、診察とリハビリテーション、短期入所(医療型・福祉型)もできます。学校や園等への保育所等巡回指導や市内事業所への医療的支援、理学療法や作業療法、言語聴覚療法のリハビリや各種検査も受けられます。就労移行・自立訓練では、個々に合わせた訓練が受けられ、一般就労のためのスキルアップのサポートも行っています。また、就労を受け入れる側の相談も受けています。発達障害支援センターPALは、他にはない発達障害に特化した相談支援を行っています。

地域交流の場として、イベント開催など交流の機会をつくったり、会議室などを地域に貸し出して自治会の会議等に使用してもらい市民等に対する障がい者理解の啓発をすすめています。

はばたき園

視察の時に、喫茶の配膳の訓練をしている人がコーヒーを配膳してくれました。堅苦しくなく居心地のいいところでした。職員の人たちも担当している部門だけでなく全体で共有して障がい者の支援を行っている姿勢が大変すばらしいと感じました。分野別の事業を統合することで一貫した切れ目のない支援が提供できるということを実際に学ぶことができる視察でした。