インクルーシブ教育を考える ~ともに育ち、学ぶということ~

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 2026年3月20日「第3回 海老原宏美基金のつどい あたり前をときほぐす すべての人の学校をかんがえる ―Part 2」が開催され、前回(2025年1月25日)に引き続き参加しました。今回は、亡き海老原さんと親しかった、タレントの奥山佳恵さんとあべけん太さんを迎え、基金の共同代表の工藤登志子さんが聞き手となり、自身の経験を交えて〝すべての人の学校″というテーマで対談されました。

 

通常級 支援級?? 

奥山さんのダウン症の次男さんは、今春から中学3年生です。地域の小学校に通っていて中学校への進級の時も、通常級を考えていました。しかし、支援に入る人には適正な報酬が払われないことがわかったために支援級を選択することになりました。フォローしてくれる人材はいるのに有償ボランティアという形でしか報酬が支払われないのです。

小学校は、「地域の子どもたちと同じ場所で、ともに育って欲しい」と通常級を選択して、お友だちと楽しく過ごす姿を見て、良かったと思っていたのに…

互いに学びあえる機会が少なくなってしまったことが残念とのことでした。

学ぶ場所を選ばなくてはいけない、学びは、“あたり前”に選べるべきなのに…

 

しあわせをくれる存在

ダウン症でタレントのあべけん太さんは、20歳から一人暮らしをしていて、現在39歳。共生社会の発信に取り組んでいます。ホノルルマラソン完走、現地学校見学ツアーを実施。いろんなことに挑戦していて、笑顔が絶えない素敵な人です。

ダウン症の人が、生きていて「しあわせ」と感じる割合は、98%。奥山さんの次男さんもイベントの最中とても楽しそうでした。そして、会場中が笑顔に包まれていました。

 

本当のインクルーシブって?

国は、多様な在り方を相互に認め合える全員参加型の社会を目指すことは、最も積極的に取り組むべき重要課題と言っています。「インクルーシブ教育システム」においては、同じ場所で学ぶことを追求するとともに、個別の教育的ニーズにあわせ、最も的確に指導ができるしくみを整備することが重要であると、支援級や支援学校を増やしています。選択できることは、必要です。しかし、今回のイベントの中で、今のシステムは、通常級があって、そのうえで特別な支援が選択できるのではなく、障害のある子は、支援級に行くことが前提で、通常級に行くことが選択肢になっていることが、そもそも違うのではという発言があり、全くその通りだと思いました。

インクルーシブ教育を進めること、当事者や保護者の選択が希望通りになるには、まだ多くの課題があると再認識し、また、多くの出会いの機会があった実りあるイベントでした。