―学校と地域の中で人権を学ぶ―
「地域と学校」子どもの学ぶ権利を支える地域・学校・教師の現在
第65回全国教育研究全国集会が、小平で開催され、2日目の分科会に参加しました。
子どもたちをめぐる状況からも、学ぶ権利の実現には、学校の努力だけでなく、地域と学校の連携はますます重要になっています。
わたしたちはどう生きるか

東村山市HPより
4つの報告から、東村山市立秋津小学校での実践について。
2025年度の6年生3クラスが、総合的な学習と図工の時間を使って、多摩全生園の立体地図と関連アートの制作に取り組みました。ハンセン病問題に取り組むに当たり、そこで暮らしていた人たちと周囲で差別する人たちの気持ちも想像させたいと、図工の岩尾先生が提案。6年の担任の先生もハンセン病を学ぶのであるなら「かわいそう」「ひどい」ということで止まることなく踏み込んで考えさせたいと同意して、テーマを「わたしたちはどう生きるか」に決めて取り組みました。
旧らい予防法ができた1930年代の市民感情の追体験

一人一木運動の木
望郷の思いを込め一人一木植樹。自分の遺品にもなっていた。表現した木には子どもたち一人ひとりの思いが書かれている
病名を伏せてハンセン病の症状の写真を見せて「感染する病気だったら」「友だちが感染したら」を子どもたちに問いかけました。その後、全生園で活動する市民団体にガイドをお願いして、今は、もうない施設や過去のエピソードを聞くために2回訪問。また現在もそこに暮らす回復者の話を聞き、園の過去を想像しながら立体地図を作成。そこには、「患者の後ろを消毒して歩く職員の姿」や「患者が故郷を思い植えた木」、「脱走する患者」など、聞いた話の中から想像したその当時の状況が詰め込まれました。この作業の中で過去を想像し、現在を見つめ、未来を考えました。

全生園すごろく
差別を繰り返さないためにつながりを表現…ゴールは社会復帰
いつもの何気ない日常が
作品の制作では、数名のアーティストも参加し、アドバイスを受け、話しを聞いたり、実際に見学したことを言葉にしたり、アートとして表現。子どもたちからは、「何気ない日常がすてきと感じるようになった」「理不尽なルールをそのままにしない」と。
地域に存在する事実に学び追求して、子どもたちに自分の行動や生き方を考えさせ、人権の尊さが実感できるすばらしい取組です。
人権を学ぶためには
教室の中で、話しを聞くだけの学びではなく、事前に学び、実際にそこに行き、当事者の話を聞き、話し合い、自分ごととして考え表現するという実践的な学習が大切だと感じました。そして教師が自由な発想で柔軟に授業ができる環境が、子どもたちの深い学びにつながるのではないかと実感しました。
